空撮だけじゃない!ドローンが変える建設現場の未来

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さて、今回は、一見するとドローンとは無縁に思えるかもしれませんが、実は最もドローンが活躍している分野の一つ、「建設現場」についてお話ししたいと思います。

ドローンと聞くと、多くの人が美しい景色を空から撮影する「空撮」を思い浮かべるでしょう。しかし、それはドローンの可能性のほんの一部分に過ぎません。
建設業界では、ドローンが測量、進捗管理、安全管理など、さまざまな工程で革命的な変化をもたらしています。

今回のブログでは、ドローンがどのようにして建設現場の未来を変え、私たちの働き方をより安全に、そして効率的にしているのかについて、詳しく解説していきます。

従来の建設現場が抱える課題

ドローンが建設現場に導入される以前、多くの課題が存在していました。

非効率な測量と進捗管理:

建設現場の測量は、人の手で一つひとつ計測する必要がありました。広大な土地では、測量に数週間かかることも珍しくなく、多くの時間と労力が費やされていました。また、工事の進捗状況を正確に把握するには、現場監督が定期的に巡回し、写真やメモで記録するしかなく、リアルタイムでの情報共有は困難でした。

情報共有の遅れ:

現場で記録した情報は、一度事務所に戻ってからデータ化されるため、リアルタイムでの情報共有が難しく、関係者間の認識にズレが生じることがありました。この情報のズレが、手戻りや工期遅延の原因となることも少なくありませんでした。

安全性の問題:

高所での作業や、足場の悪い場所での点検は、常に転落事故のリスクを伴います。また、重機の稼働状況を把握するために危険区域に立ち入る必要もあり、人命に関わる事故のリスクが常にありました。

環境変化への対応:

予期せぬ天候の変化や、災害による現場の変化に迅速に対応することが困難でした。

ドローンがもたらす「空からの革命」:3つの主要な活用法

ドローンは、これまでの建設現場が抱えていた課題を一気に解決する、画期的なツールとして注目されています。ここでは、特に重要な3つの活用法について、専門的に深掘りしていきます。

1. 測量・土量計算の劇的な効率化

建設工事の最初のステップである測量は、ドローン測量によって劇的に進化しました。

従来の測量では、測量士が現場を歩き回り、測量機器を設置して計測する必要がありました。しかし、ドローンを使えば、上空から対象エリアを自動で飛行しながら、高解像度の画像を撮影することができます。

この写真測量(UAV-SfM)で得られた大量の画像データを専用のソフトウェア( Pix4Dなど )で解析することで、点群データと呼ばれる精密な3Dデータを作成できます。この点群データを使えば、土の掘削量や盛土量をミリ単位で正確に計算することができ、計画通りの施工を支援します。

(引用: Pix4D / pix4d.com

また、木々が茂った場所や、夜間でも測量が必要な場合は、LiDAR(ライダー)を搭載したドローンが活躍します。LiDARはレーザー光を照射して距離を測定するため、植生に邪魔されることなく、地表面の正確な形状を把握できます。これにより、どのような地形でも高精度な測量が可能になります。

これらの技術により、数日かかっていた測量作業がわずか数時間で完了し、大幅な工期短縮と人件費削減を実現します。

2. 工事進捗管理のリアルタイム化

ドローンは、工事の進捗管理を「見える化」し、リアルタイムで把握することを可能にしました。

従来の進捗管理では、現場監督が定期的に撮影した写真と、図面を照らし合わせて進捗を確認していました。しかし、ドローンを使えば、毎週、あるいは毎日決まったルートを自動飛行させ、工事現場全体の空撮画像を記録できます。

この画像を時系列で比較することで、工事の進捗状況を視覚的に把握できるだけでなく、設計図面との差異を早期に発見することができます。

さらに、ドローンで取得したデータを3Dモデル化し、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)と組み合わせることで、関係者全員が工事現場の現状を仮想空間で共有できます。これにより、離れた場所にいる担当者や、クライアントとも円滑に情報共有ができ、認識のズレを防ぐことができます。

また、ドローンに搭載されたAI(人工知能)が、撮影した映像から重機の稼働状況や作業員の安全を監視することも可能になってきています。これにより、工事の効率を高めると同時に、安全管理体制を強化することができます。

3. 安全管理と点検の徹底

建設現場は、常に危険と隣り合わせです。特に高所での作業は、命に関わるリスクがあります。

ドローンは、高所にあるクレーンの先端、ビルの外壁、橋梁の裏側など、人が立ち入るのが困難な場所の点検を安全に行うことができます。高倍率ズームカメラや赤外線カメラを搭載することで、小さなひび割れや熱異常も正確に捉えることが可能です。

また、ドローンは災害発生時の初動対応にも役立ちます。地震や豪雨で建設現場に被害があった場合、ドローンを飛行させて現場の状況をいち早く把握し、二次災害のリスクを評価することができます。これにより、安全を確保した上で復旧作業に取り掛かることができます。

ドローンが変える「働き方」と未来の建設現場

ドローンは単なる便利な道具ではなく、建設業界の働き方そのものを根本から変えようとしています。

生産性の向上:

ドローン測量や進捗管理の効率化は、工期短縮とコスト削減に直結します。これにより、企業はより多くのプロジェクトを請け負うことができ、生産性を大幅に向上させることができます。

人材不足の解消:

ドローンが危険な作業や単純作業を代替することで、熟練した技術者はより専門的で創造的な仕事に集中できるようになります。また、若い世代にとって、ドローンを活用した仕事は魅力的であり、業界への新しい人材の流入を促す効果も期待できます。

スマートな建設現場の実現:

ドローンが収集したデータは、BIM(Building Information Modeling)と呼ばれる建設物の3Dモデルと統合され、設計から施工、維持管理までを一貫してデジタルで管理する「スマートコンストラクション」の実現に貢献します。

持続可能な開発:

正確な土量計算や効率的な資材管理は、無駄を減らし、環境負荷の低減にも繋がります。

まとめ:建設業界の未来は、空に拓かれている

かつては人力で行われていた建設現場の仕事が、今、ドローンの技術で安全に、そして効率的に行われています。

ドローンは、測量や進捗管理、安全管理といったあらゆるプロセスに深く関わることで、建設業界の未来を切り拓く重要な役割を担っています。

私たち銅市金属工業は、このようなドローンの可能性を最大限に引き出し、お客様の建設現場の課題を解決するお手伝いをしています。

ドローン導入に関するご相談や、具体的な活用事例について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。

空飛ぶパートナーが、あなたの建設現場を変えるお手伝いをします。

ご相談・お問い合わせは、当社のウェブサイトからどうぞ。https://www.douichi.co.jp/service/drone/

それでは、次回のブログもお楽しみに!