ドローン初心者の方でも「失敗しない」機体選び

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「ドローンを始めたいけれど、どれを選べばいいか分からない」という悩みは、多くの方が抱えているものです。価格も性能も多岐にわたるため、単なるカタログスペックだけを見て選んでしまうと、後々後悔することになりかねません。

今回の記事では、ドローン初心者の方でも「失敗しない」機体選びができるよう、プロの視点から特に重要な3つのポイントを深掘りして解説します。

ポイント1:
ドローンを「何に使うか」、そして「投資」を徹底的に言語化する

ドローン選びの最初のステップは、「ドローンを何に使うか」という漠然とした目的を、具体的な業務に落とし込み、それに伴う「投資」を明確にすることです。単に「空撮」と言っても、求める画質や飛行環境によって、選ぶべき機体は全く異なります。

趣味の空撮の場合:

「旅行先で美しい景色を撮りたい」「SNSに映える映像を投稿したい」といった目的であれば、持ち運びやすい小型・軽量モデルがおすすめです。
DJIのMavicシリーズやMiniシリーズは、高画質なカメラとコンパクトなボディを両立しており、初心者にも扱いやすいモデルとして人気です。これらのモデルは、画質や飛行性能が非常に高く、本格的な空撮も楽しめます。

さらに深く掘り下げると、何を撮りたいか?が重要になります。
風景、人物、スポーツなど、被写体によって必要なレンズやセンサーサイズが変わります。高精細な風景写真なら大判センサー、動きのある被写体なら高速シャッタースピードに対応するモデルが必要です。

また、求められる画質レベルは?という視点も不可欠です。
YouTube投稿レベルか、映画制作レベルか。後者であれば、RAW撮影やLog撮影(広いダイナミックレンジで色編集がしやすい撮影モード)に対応しているかを確認する必要があります。また、ビットレート(映像のデータ量)も画質に直結するため、必ずチェックすべき項目です。

最後に、ドローン購入費用だけでなく、予備バッテリー、プロペラ、SDカード、NDフィルターといった周辺機器への投資も考慮に入れましょう。バッテリー1本で20分程度の飛行時間しかない機体の場合、複数のバッテリーがなければ満足な撮影はできません。

本格的な映像制作の場合:

「プロ顔負けの映画のような映像を撮りたい」「写真展に出せるような高品質な写真を撮りたい」といった目的であれば、より高性能なモデルが必要です。高画質カメラを搭載したDJIのInspireシリーズや、大型の産業用ドローンが選択肢に入ってきます。これらのモデルは、高画質センサーや交換レンズに対応しており、プロのニーズに応えることができます。

産業利用(測量・点検など)の場合:

「建設現場の測量を効率化したい」「太陽光パネルや橋梁の点検を安全に行いたい」といったビジネス目的であれば、ただ飛ぶだけでなく、目的に特化した機能を備えた産業用ドローンが必要です。
LiDAR(ライダー)センサーを搭載した測量用ドローンや、高精細な赤外線カメラを搭載した点検用ドローンなど、専門的な機能を持つモデルを選びましょう。

この場合、どのようなデータを取得したいか?を明確にすることが肝要です。
単なる静止画や動画だけでなく、温度データ(赤外線カメラ)、3D点群データ(LiDAR)、詳細な構造物データ(高倍率ズームカメラ)など、目的に応じたセンサーが必要です。

導入コストだけでなく、ドローンの操作を習得するためのトレーニング費用、定期的なメンテナンス費用、そして何より、ドローン導入によって削減できる人件費や工期短縮による利益を計算し、費用対効果を判断することが重要です。

目的を深く言語化することで、無駄な機能を持つ高価な機体を避け、本当に必要な性能に絞った賢い選択が可能になります。

ポイント2:
カタログスペックを超えた「飛行安定性」と「安全性」を見極める

ドローンのカタログには、飛行時間や速度、障害物検知機能が記載されています。しかし、重要なのはそれらの数字が示す「実用性」です。

  • 風圧抵抗力(耐風性能):多くのドローンは最大風速〇m/sという耐風性能を謳っていますが、これはあくまで「飛行可能」という目安です。風が強い環境下では、機体が流され、正確なホバリングや安定した撮影が難しくなります。特に、強風下でのホバリング精度は、カタログスペックからは読み取れない重要な性能です。レビュー動画などを参考に、風にどれだけ耐えられるかを確認しましょう。
  • GPS+ビジョンセンサーの組み合わせ:GPSは屋外で正確な位置を把握するのに不可欠ですが、電波が届かない屋内やGPSが乱れる環境では機能しません。高性能なドローンは、機体の下部にあるビジョンセンサーで地面の模様を認識し、GPSが使えない場所でも安定したホバリングを可能にします。このビジョンポジショニングシステムの性能は、初心者にとって安心感に繋がる重要な要素です。
  • 障害物検知システムの実力:最近のドローンは全方向の障害物検知を謳っていますが、検知できる障害物の種類や速度には違いがあります。細い電線や枝、ガラスなどを検知できるか、また、高速飛行中に障害物を検知して安全に停止できるかなど、システムの実用性を詳しく調べることが重要です。

これらの要素は、単なる数値では判断できません。実際の使用環境を想定し、より実践的な視点で比較検討することが、安全で安定した飛行を実現するための鍵となります。

ポイント3:
「法律・制度」と「メーカーのサポート」を事前に徹底調査する

ドローンは、購入後も様々な法律や制度、そしてメーカーとの関係が続きます。これらを事前に調査しておくことで、予期せぬトラブルを避け、安心してドローンを運用できます。

法律・制度の適合性
  • 機体重量:100g以上の機体は、国土交通省への機体登録が必須です。また、飛行する場所や方法によっては、事前に許可・承認が必要となります。
  • 国家資格:国家資格が必要となる特定飛行(第三者の上空での飛行など)を将来的に行う可能性があるなら、資格取得に対応した機体を選ぶことも視野に入れるべきです。
  • DJI製品における認証:DJIの最新モデルは、機体認証(日本で安全性が認められた証明)を取得しているものが増えています。これにより、一部の飛行申請手続きが簡素化されるメリットがあります。
メーカーサポートの実態:

ドローンは精密機器であり、墜落や故障のリスクがゼロではありません。

  • 修理サービス:国内に修理拠点があるか、修理費用はどのくらいか、修理期間はどのくらいかなど、万が一の際のサポート体制を事前に確認しておきましょう。
  • 保険制度:機体や対物・対人に対する保険サービスを提供しているメーカーも多いです。これに加入しておくことで、万が一の事故に備えることができます。
  • オンラインサポート:製品の操作方法やトラブル対応について、電話やチャットで相談できる窓口があるかどうかも、初心者にとっては重要なポイントです。

これらの点を事前に把握しておくことで、ドローン購入後の費用や手間を予測し、より計画的な運用が可能になります。

まとめ:後悔しないドローン選びのために

ドローン選びは、あなたの目的、そして飛行させる環境を深く理解することから始まります。

今回ご紹介した3つの視点、「目的と言語化された投資」「実用的な性能と安全性」「法律・サポート体制」を軸に、様々なメーカーやモデルを比較検討してみてください。

このプロセスを通じて、きっとあなたのドローンライフを成功に導く最適な一台が見つかるはずです。

私たち銅市金属工業は、産業用ドローンの活用を通じて、様々な分野で社会の課題を解決しています。
ドローンに関する専門的なご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせは、当社のウェブサイトからどうぞ。https://www.douichi.co.jp/service/drone/

それでは、次回のブログもお楽しみに!